「士魂の系譜」を読んで

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士道館創立者・添野義二の半生を追う!「士魂の系譜」とは?

空手界のレジェンド、添野義二氏の波乱に満ちた人生が一冊に凝縮された「士魂の系譜」。武士道精神と強さを追求した添野氏の生き様に、どのような魅力が秘められているのでしょうか?

添野義二とは?

添野義二(そえの よしじ)氏は、極真会館を中心に日本の空手界で重要な役割を果たした空手家です。彼は1947年に埼玉県で生まれ、小学生の頃から柔道を始め、高校で空手を学びました。その後、大山倍達のもとで極真会館に入門し、極真空手の普及に尽力しました。1975年には士道館を設立し、その後も空手と格闘技を広め、指導者としてのキャリアを築いてきました。彼の指導によって多くの強豪空手家やキックボクサーが育成され、現在でも士道館は世界中に支部を持ち、多くの門下生を抱えています。詳しい経歴については、こちらのWikipediaのページをご参照ください。

著者・原田寛とは?

この本の著者である原田寛(はらだ ひろし)氏は、福岡県北九州市生まれで、国際・如水会館の館長を務めています。原田氏は、空手界で「ケンカ十段」の異名を持つ伝説の空手家、芦原英幸氏の最後の直弟子として修行を積みました。修行の後、独立し、空手道を通じた青少年の健全育成と国際交流に力を注いでいます。詳しい情報は、こちらのURLでご確認いただけます。原田氏の深い武道の経験と情熱が、この本の執筆に多大な影響を与えていることは間違いありません。

大山倍達との出会いから始まる人生の転機

この本は、添野義二氏が極真会館の創始者である大山倍達と出会うところから始まります。強さに憧れる青年だった添野氏が、師である大山倍達に魅了され、彼のもとで修行を重ねた日々が鮮やかに描かれています。その修行の日々は、単なる空手の稽古ではなく、添野氏にとっては「男として、武道家としての生き方」を学ぶ場でもありました。純粋に師を慕い、師への感謝と時には葛藤を抱えながらも、忠誠心を貫く添野氏の姿が印象的です。

空手ブームと「空手バカ一代」

梶原一騎によって描かれた劇画「空手バカ一代」は、空手ブームのきっかけとなり、世間に広く知られる存在となりました。その中で、極真会館の空手家たちの奮闘が描かれており、当時の極真会館の光と影、栄光と試練がリアルに伝わります。この本では、その裏側にある人間模様が丁寧に描かれ、空手家としての苦悩や成長、そして師や仲間たちへの感情の変化が浮き彫りにされています。

昭和の格闘技界と極真会館

また、「士魂の系譜」では、昭和の格闘技界の裏話にも触れられています。例えば、アントニオ猪木とウィリー・ウィリアムスのプロレス興行の真実が明かされており、当時の極真会館の空手家たちがどのように興行に関わり、成功や苦悩を経験していたのかが興味深く描かれています。添野氏自身もキックボクシングに参戦や興行から経営の苦労も書かれており

さらに、大山倍達の死後に極真会館が分裂した騒動についても言及されており、添野氏の「感謝」と「武士道精神」を貫く姿勢が深く印象に残ります。

読むべき理由とは?

「士魂の系譜」は、極真会館の空手家としての添野義二氏の強さだけでなく、人間としての深い葛藤や成長、そして彼を支えた師弟関係の複雑さが描かれています。空手家や武道に興味のある方はもちろん、人生における師と弟子の関係や、信念を貫くことの難しさに興味のある全ての人に読んでいただきたい一冊です。昭和の格闘技界の裏話も詰まっており、武道の世界をより深く理解するための貴重な資料となっています。

この本を手に取り、添野義二氏の「士魂」を追体験してみてはいかがでしょうか?格闘技、空手ファンへ必読の書です!

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